かみさまがめざめるおとをきく

先生、先生、

金網の向こうで微笑んでいるその人に向かってヅラは手を伸ばしている。
ぐしゃぐしゃの顔で、泣きながら、大人に止められながら
顔を背けるのは人間、笑うのは異邦人。
あの奇妙な首の一つでも取ってやろうかと懐に入っていた小刀を取り出そうとする。

「やめとけ、高杉」

今まで何も言わず、ただじっと金網の向こうを見ていた銀時が言う。
何も感じないのかと叫ぼうと思ったがやめた。
奴は顔すらも此方に向けず、ただじっと首を落とされるあの人を見ている。
銀色の刀が振り上げられる。
辺りの人間の叫び声がでかくなる、耳障りだ、


 ざ く り 、 赤 が 、 飛 ぶ 

隣で泣きわめくヅラの声が鬱陶しい。
胸に抱いた小刀の柄を握っている手が震えているのにやっと気付いた。
瞬き一つすらしなかったんじゃないかと思っていた銀時が不意に立ち上がって、元来た道を帰っていく。
小さい、ふらふらと揺れていた背中が、今日はまっすぐだった。
ぐるり、振り向いた。
真赤な眼とばちりと視線が合う。
激しい、殺意のみが浮かんだ、真赤な目。
鬼だと親に捨てられ瀕死の状態で先生に拾われた銀時。

「高杉、ヅラ」

間延びした声なんかじゃなかった。
底冷えのする、然りとした声。

「俺、あいつら殺すわ」

ゆるりと笑ったその顔は、






神様が目覚める音を聴く



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