手酷くやっているという事は分かっている。
それがこの子の、この世界で生き残る道を広げているということだ。
しかしこの子供は面白い。
さっきだって技を繰り出して壁に激突するも何故かほぼ無傷、壁に大ダメージを与えるという恐ろしい子供だ。
なぜ髪型まで壁に残るのは…まぁ気にしないとして。
とりあえず擦り剥いた膝を消毒するために子供、沢田綱吉、は此方のアジトに来ている。
びし、傷を思い切りつつけば畳の上でゴロゴロ転がりながら痛いと喚く綱吉。
君将来大物になるよと言えばめんどくさいなーと溜息一つ。
「雲雀さん回復の呪文覚えてないんですか?ケアルとかホイミとか」
「ヒャダインなら覚えてるけど」
「それ言ってるのってヒャダイン氏のことじゃないですよね?!」
「ヒャダイン氏は神だよ。じゃぁポーション飲めば。そこの棚に入ってるから。全部セフィロスだけど」
「どんだけイカ好きなんですか!」
「イカじゃない、帝王が好きなんだ。あ、フィギュアはクラウドだよ」
「中の人!というかフィギュア買ったの?!ザックスは?!」
「声が気に食わない」
「中の人に失礼だ!」
「中の人などいない!!」
「うっぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
大声でツッコミを入れながらも何だかんだで某ビタミン飲料を薄めたような飲料を飲んでいた。
まぁ当たり前のように傷が塞がるわけでもなかったけれど。
「なんだよ雲雀さんだってわんこのくせに。がっつり喘いでるくせに」
「綱吉、咬み殺されたいの」
「いえいえ、そんなことーあははー雲雀さん男らしー」
マキロンをぶっかけてガーゼを張っている間くだらない事を言いながらも綱吉の顔は強張っている。
何だかんだで痛いのを強がって隠そうとしているのだろう。
まったく、
「痛いなら痛いって言えばいいじゃない」
「うっせー犬っころ。アメリカでギタリストでも目指しやがれ」
「…………中の人ネタは、噛み殺すっていったでしょ」
「じゃぁいきなりびっくり美声のモアイ怪人」
「…………………殺す」
「(褒めたのに)」
傷痕をなぞる指は焔の温度
(犬っころからツンデレまでこなす近藤さんに乾杯。)
word :: ロメア * 発展途上あいうえお題