「見えません」
「見えません」
「見えません」
白衣を着た小柄な人物が此方を向く。
目に浮かんでいるのは少々の呆れと多数の心配。
「ねぇ骸、本当に見えない?嘘じゃなくて?」
「見えません」
「………そっか」
悲しそうな顔をして机の上の書類に視力を書き込む小さな背中。
それは遥か昔、己の前世が見せる幻影と重なって
あの日、すれ違ったあの人を彷彿とさせる。
耳元で聞こえた謝罪と共に消えた、あの人を。
「病院行った方がいいかもね」
「いいえ、きっと治りませんよ。これは僕の罪ですから」
「?」
「あの時、君を行かせなかったら、今頃」
苦しみはまだ続き私の瞳を潰すような罪を呼ぶ
word :: ロメア * 発展途上あいうえお題