つながるしんぞうにかなしみをそそぐおとこ

そう云えば髪も随分延びました
貴方が雨の様で綺麗だと慈しんで下さった
異端と呼ばれた癖の付いた紙は私の瞼を疾うに超えてゆらゆらと視界を遮ります

ぎんとき、しっていますか
この小さな箱には人間の魂が閉じ込められて居るのですよ
淋しくなったら箱の目盛りを廻しなさい
屹度貴方の望む人の声が聞こえる筈ですよ

せんせいあなたのこえがきこえません
おれにはあなたのこえすらきくしかくもないのでしょうか
きこえるのはなつかしいようないらだつようなあらしのおとだけ

右耳が冷たくなる程冷たい金属を耳に毎日当て続けます
凡ては貴方の声が聞きたいからです
他に何も欲しくないのです、分かって下さい先生
左の耳から聞こえる心臓が痛むような懇願をする生者の声なんていらないのです
唯貴方だけを欲して居る事に気付いて下さい
俺は命を絶つことが怖くなるくらい弱くなってしまった
こんな己にはどうすることもできないのです

貴方以外に何も要りません
もう此れ以上苦しませないで下さい
左の耳から侵入した声が、心の臓を支配する前に
貴方の声を聞かせて下さい-------------






繋がる心臓に哀しみを注ぐ男
word :: ロメア * 発展途上あいうえお題