行かないでと言ってもあなたは行くんでしょうね




「殺されるわよ、貴方」
「わかってるよ」


彼は悲しそうに笑う。
彼の超直感があれば当の昔に分かっていることでしょうし
もしかしたら殺す相手も分かっているのかもしれない。
子供のように人の命をもぎ取って遊ぶ、ファミリー内で私と同等の存在という事に。


「分かっていて何故其処へ行こうというの?」
「何故?何故だろうね。敢えて言うなら少々情に流されて、ってところかな」


情なんてものに流されて殺されるなんて、莫迦のすることよ。
お願いだから止めて頂戴。
ずっと私の傍に居て。

映画の中で騒ぐ3流女優の様に、私は貴方に縋り付けない。
貴方の困る顔が見たくない。
それに私の傍にいて、なんて到底叶う筈もないことですもの。
そんな台詞が吐けるのはきっと彼に愛されている、表の世界で綺麗に笑う女。
私のように真黒な服を着て笑いもしない女が言えることではないわ。


「やっぱり私が思った通りだわ」
「何が?」
「貴方。長生きできないわ」
「うん、ごめんね、ユニ」




(逝かないで、って言えない自分がもどかしい!)