(Blind Romance)



片目に填めた眼帯が取れて
不安定だった世界がクリアになった。
飛んできた破片。
あの瞬間片目はおじゃんになったかと思ったけれど。


(意外と俺はしぶといらしい)


ちらり、横を見れば
さっきまで泣きそうな顔で「良かった、ほんとに良かった」と言っていたツナが
いつもの獄寺の暴走を慌てて止めている。
その口に薄ら笑みが浮かんでいるのを見て、自己嫌悪。


(あまりにも欲深い、己の嫉妬心に)


ずきんずきん。
心臓の辺りが痛くなって、シャツごと力いっぱい握り締める。


あふれ出す
 溢れ出す
  想いが
   痛い
     。



「どうしたの山本?もしかして他の傷が?!」


下を向いたまま動かない俺を、下から覗き込んでくる、茶色の薄い目。
作り物みたいなそれに見つめられると心臓が痛くなくなって
逆にどきどきと鼓動を打つ。


「あー…だめかも」
「な?!」


たまらず腕を伸ばして抱きこんだ。
ちっぽけな身体。
うすっぺらい肩に鼻先を押し付けた。


「痛いトコ有るなら病院行かなきゃ!」
「…ツナ」
「ほら、早く行くよ!」


目の前に差し出された小さな手を反射的に取った。
ぐい、引っ張られた。
必死な顔して走るツナ。
後ろから聞こえる怒号。




「そのまんま俺だけ見て俺の手だけ掴んでりゃいいのに」






(もっさんの自覚 / やべぇ思った以上に青春すぎるどうしよう)
Blind Romance / メリー