(グリーンティーって緑茶じゃないのかよ)


イタリアンな雰囲気がバリバリの中出された緑色の飲み物を飲んだ。
たぶんこれ緑茶、のはず。
何となく懐かしい匂いのそれを一口含んだ。



「ごふっ」
「何してるんだアンタ」



隣で顔色一つ変えずに瓶牛乳を飲むように一気に飲んでいく。
渋すぎる緑色の液体を。
腰に手をあてて、ちょっと背を反らして、勢いよく。
いやいや、風呂上りのおっさんじゃあるまいし。
つかこれ緑茶じゃないだろ青汁だろ。



「マズイ!もう一杯!!」
「マジで青汁?!」
「ジャッポネーゼはそう言うのが正しいんだろ?」
「正しくないと思いますが。つかこれどうやったらこんな味になるんですか」
「こう、ばーって、入れた」
「…そうですかじゃあそれ貸してください俺が入れなおしますから」



ほぼ空っぽのマグカップを奪い取って
よく見ればものすごい緑色の液体をシンクに捨てた。
なんていうか、あのちょっと高いアイスの抹茶味の色、みたいな。
いつも母さんが入れてるのを何となく真似しつつ、
さっきよりかは透き通った色の液体に内心ほっとする。
またあの謎の青汁もどきができると色々ときついから。



「どうぞ」
「ウチが入れたのと全然色違う。なんで底が見える」
「緑茶ってきっとそんなもんだと思いますが」



ずずずと啜ればいつも家で飲んでるあの味とよく似た緑茶に心がほっこりする。
ふう、思わず出た溜息。
何となくさっきの青汁の脅威は薄れたような気がした。
隣を見れば相変わらず瓶牛乳の如くそれを飲みほし、ただ無表情のままカップを見つめていた。
かと思いきやいきなりこちらを向いて俺の両肩をしっかり掴んできた。
なんか嫌な予感がする。
つか超直感っていっつもこんなとこばっかで役立つんだよ。
主にクフフナッポーとかクフフナッポーとかストーカー右腕とか。



「やっぱあんたウチが見込んだ奴だ」
「どうも」
「デーチモ、いやツナヨシ。ウチに毎日ミネストローネを作ってくれ」
「…ミネストローネって何ですか?それおいしいの?」
「ジャッポーネではそうやって言うんだろ?ミソシル?」
「ミネストローネって味噌汁みたいなもんですか」
「汁的なもの」



へー汁的なもの。
汁的なものを俺に毎日作れと。
…毎日。
………毎日?



「んで。ツナヨシ作ってくれるの?」
「えと、あの、汁的なものを、毎日」
「汁的なものを毎日」
「………………」
「で?」
「…………………………(ぷろぽーず?)」
「ミネストローネ作ってくれる?」
「え、あ、うん」



…………………………………あ。
ほぼ反射的に返事をした。
いや、違う。決してそんなつもりでは。と言おうとしたが
ものすごい勢いでキスされて言葉が出ない。
外人のスキンシップって何でこんな激しんだよディーノさんかアンタ!
つかこの人ディーノさんにちょっと似てるよね髪の毛の色とか白馬の王子様!みたいな。
まぁこの人は白馬のっていうかモスカのだけど。
モスカの王子様…無我の境地…とかやるのかな…モスカが。



「もうボンゴレに返さないから」
「………え」
「ウチの嫁、他のとこに行かせるわけないっしょ」
「ちょ、何言ってんのあなたは」
「あなたじゃない。名前、呼んで」
「す、スパナ、さん」
「うん」
「俺は一応ミルフィオーレに追われてる立場なわけだし」
「大丈夫。ウチの嫁に手ぇ出した奴はモスカで殲滅するから」
「物騒!こんなめんどくさい時になに内乱起こそうとすんの!」
「とりあえずツナヨシは美味しいミネストローネ毎日作ってウチの隣にいてくれればいいから」



それじゃ駄目だと思うんですが、と言いかけて口を噤んだ。
いや、だってさ。
なんでそんな嬉しそうな顔してんだよあんたは!
……ちくしょう、何も言えないじゃないか。



(スパナって生活能力0だと思ってる。)
(つかディーノさんはスキンシップ魔だと思うんだ。イタリア男だし)