せんせー、あのね。
(さるとびせんせーのゆかいなにちじょう。)
幼稚園の通園バスから降りてくる子供達に笑顔でおはよー、とか謂うのなんて俺の性分に合ってない。
きっと俺を知ってる友人達は気持ち悪いとか難癖つけてくるんだろうケド。
でもそれでも俺がこの幼稚園を辞めない理由はコレ。
「さすけ!きょうもごくろうだったな!」
「はいはい旦那オハヨー。」
このえらっそうな口調で仁王立ちする子供。真田幸村ちなみに五歳。目下、俺のラヴァー。(言い回しが古いって?そんな事気にすんな)
とりあえず目に入れても痛くないことは確実。
アホみたいに赤い服ばかりを着てくるこの子に俺は毎朝ときめくのだ。
(決して俺はショタコンではない。決して。断じて!)
「なにをぼーっとしておるのだ。さっさとしろ」
「んー、今日はどこがいいかなーと思ってただけー」
「な!ばかか!はずかしいからはよせんか!!」
「分かってますよーっと」
屈んでほぼ恒例行事となったおはようのちゅーほっぺバージョン。
真っ赤になりながら抱きついてくる幸村が可愛いんだコレが。
ぎゅーぎゅー抱きしめながらもうまた愛が増したーvvとか蕩けた頭で考えていたらしい。(ついでに意識もちょっとあっちに飛ばしてみちゃったり)
ちらりと横を見れば相変わらず無表情の小太郎(同僚)が泣いてる子供達をあやしながらおろおろしていて。
更に向こうを見れば、上杉先生(年齢性別ともに不詳)と同僚のかすがが薔薇を撒き散らしながら宝塚ごっこの真っ最中。
ここで俺の邪魔をする独眼竜園長が出てこないってコトは、多分小十郎さんに缶詰にされてるんだな。
よっしゃ、心ん中でガッツポーズでも決めとこ。
「そういや今日のバス、どうだった?」
「おぉ、きょうはおやかたさまがうんてんしてくださったのだ!すばらしかったぞ!」
「ふーん、どんな感じに?」
「はじめてぱとかーとかーちぇいすしたぞ!おやかたさまはやはりすがらしいおかただ!」
「へ、へぇー…そう…」
「さすがかいのとらだな!」
「…また変な二つ名つけてんのダンナは…」
つかやめてよ大将!園バスって園の名前入りだからね!
しかもパトカーとカーチェイスって!もしかして独眼竜園長が缶詰なのってそれの所為?!やけに泣いてる子が多いわけだ…。
あれで「がっはっは、すまんすまん!!」とか謂って許されるんだからとんでもない幼稚園だな、ここ。
よく子供がこんなに通うか、正直七不思議の一つに加えてもいいと思うよ、俺様。
あと上杉先生の年齢も。
「さすけ?どうしたのだ?」
「………や、なんでもないよダンナ」
なんか考えてたら頭痛くなったからもうやめよっと。
あんま考えててもどうしようもないし!よし。ナイス切り替え!
「じゃ、いこっか」
「うむ!」
「今日何して遊ぶ?」
「ばくさんせんたいごほんやりごっこだ!」
「それ好きだネェ、ダンナは」
「ところで、ここはいつになったらおやかたさまようちえんになるのだ?」
「…きっと一生ならないよ」
「じゃぁかいのとらようちえん〜おやかたさまがてんかいち!〜か?」
「………それこそありえないよ」
(拍手でしたー)