手を
差し伸べられていた。
「白蘭さん、寝ないんですか」
「眠くないんだヨ」
彼を殺した、あの日から。
奇妙な顔をして部屋を出ていく正チャン。
きっと君には分んないだろうね。
今も眠り続ける彼は夢の中。
僕は夢の外で彼とはもう会えないんだ。
眠くないっていうのはきっと神様が僕の罪を許してくれてないから。
彼と会えないように、きっと邪魔してるんだ。
ボンゴレ
デーチモ
沢田綱吉
サワダ
ツナ
10代目
ツッ君
綱吉君
おかしいな、彼を殺したのは僕一人だけの時なのに
彼を思い出そうとするほどざわめきが大きくなるのはなんで。
目の前がぐるぐる、七色に回って撹拌されてゆくよう。
ぼんやりと見える彼の顔。
びゅんびゅん聞こえる風の音に混じって笑い声。
アハハハハハハハハハハハハハ!!
ネェ、何で笑ってるの?
口が何かの形を象る。
何て言ってるの?
顔が真っ赤に塗潰されてく
如何して彼の声は、姿は、顔は消えていくの?
僕の中から、君が消えて逝く事が、怖くて仕方無いんだ。
「大丈夫ですか?」
はっと顔を上げた。
いつの間にかしゃがみこんだ僕の前に立っているのは
「ツナ、チャン」
「顔色悪いですよ」
ぺたりと額に当てられた手からは暖かな体温。
幼いその顔を少し歪めて此方を心配そうに見ている。
真っ赤に塗潰された顔も狂った様に笑う声も無くって
ああ、と安堵の溜息をついた。
「ツナ、チャン。此処にイル?」
「いますよ。どうしたんですかいきなり」
「僕の、夢じゃない、よネ」
「まさか寝ぼけてるんですか」
ほら、立って下さいよ。
ひょいと目の前に差し出された、小さな手。
この手を握っても良いのだろうか、
この子供の未来を、殺した自分が。
手を握らない僕にイライラしたんだろう。
小さな手がいきなり手を握って、ぐいぐい引っ張ってきた。
ジワリと広がる温かさにふっと体が軽くなる。
この子供は如何して罪人の自分にあっさりと望むものを与えるのだろうか。
夜の白い月に照らされて笑う彼が、愛しい。
温かい彼の体温が、愛しい。
「びゃくらん」
僕の名前を呼んでその手を差し伸べて。
(もう僕は、あの夢を見ない)
「眠くないんだヨ」
彼を殺した、あの日から。
奇妙な顔をして部屋を出ていく正チャン。
きっと君には分んないだろうね。
今も眠り続ける彼は夢の中。
僕は夢の外で彼とはもう会えないんだ。
眠くないっていうのはきっと神様が僕の罪を許してくれてないから。
彼と会えないように、きっと邪魔してるんだ。
ボンゴレ
デーチモ
沢田綱吉
サワダ
ツナ
10代目
ツッ君
綱吉君
おかしいな、彼を殺したのは僕一人だけの時なのに
彼を思い出そうとするほどざわめきが大きくなるのはなんで。
目の前がぐるぐる、七色に回って撹拌されてゆくよう。
ぼんやりと見える彼の顔。
びゅんびゅん聞こえる風の音に混じって笑い声。
アハハハハハハハハハハハハハ!!
ネェ、何で笑ってるの?
口が何かの形を象る。
何て言ってるの?
顔が真っ赤に塗潰されてく
如何して彼の声は、姿は、顔は消えていくの?
僕の中から、君が消えて逝く事が、怖くて仕方無いんだ。
「大丈夫ですか?」
はっと顔を上げた。
いつの間にかしゃがみこんだ僕の前に立っているのは
「ツナ、チャン」
「顔色悪いですよ」
ぺたりと額に当てられた手からは暖かな体温。
幼いその顔を少し歪めて此方を心配そうに見ている。
真っ赤に塗潰された顔も狂った様に笑う声も無くって
ああ、と安堵の溜息をついた。
「ツナ、チャン。此処にイル?」
「いますよ。どうしたんですかいきなり」
「僕の、夢じゃない、よネ」
「まさか寝ぼけてるんですか」
ほら、立って下さいよ。
ひょいと目の前に差し出された、小さな手。
この手を握っても良いのだろうか、
この子供の未来を、殺した自分が。
手を握らない僕にイライラしたんだろう。
小さな手がいきなり手を握って、ぐいぐい引っ張ってきた。
ジワリと広がる温かさにふっと体が軽くなる。
この子供は如何して罪人の自分にあっさりと望むものを与えるのだろうか。
夜の白い月に照らされて笑う彼が、愛しい。
温かい彼の体温が、愛しい。
「びゃくらん」
僕の名前を呼んでその手を差し伸べて。
(もう僕は、あの夢を見ない)